戦略コンサルと総合コンサルの違いを体験者が語る

私は、新卒で外資総合コンサルティングファームに入社し、その後、外資戦略コンサルティングファームに転職しました。

その中で、総合コンサルと戦略コンサルの違いというものをたくさん痛感してきました。同じように「コンサル」と呼ばれていてもこんなに違うんだな、というのが率直な感想です。

今回は「給与」「働き方」「仕事内容」の3つの観点で、戦略コンサルと総合コンサルの違いを書いていきます。

コンサル転職志望の方、コンサル志望の就活生の参考になると嬉しいです。

注意

私が経験してきた会社は、外資戦略コンサルと外資総合コンサルであるため、日系とは少し異なる可能性はあります。他のコンサルタントへのインタビューを通して、できる限り一般的な内容にしたつもりですが、そこは割引いて見ていただけますと幸いです。

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総コンと戦コンの違い①給与

コンサル転職者が1番気になるであろう給与のお話です。

総コン/戦コンのスタッフの給与

基本的には、スタッフの場合、総合コンサルは残業代が出て、戦略コンサルは基本的に残業代が出ません。これは、多くのファームの方針であり、戦コンだと見込み残業が厚く積まれていることが多いです。

そのため、スタッフであれば「多く残業する総コンは、多く残業する戦コンよりも年収が高い可能性」はあります。

ですが、今はコンサル業界でも働き方改革が進んでいるため、基本的にはスタッフの場合、戦略コンサルタントの方が、総合コンサルタントよりも給与は多くなります。

これは多くのコンサル転職者が想像している通りかと思います。

総コン/戦コンのマネージャーの給与

マネージャー以上は、総コンでも「管理職」という扱いになるので、残業代が付かないことが多いです。つまり、純粋な年収の額面の勝負になります。

そして、この場合、戦略コンサルタントの方が総合コンサルタントよりも高いです。

いずれにせよ、マネージャー以上は仕事中心の生活になることがほとんどなので、戦略コンサルと総合コンサルのどちらでマネージャーになるかを給与で考えるなら、戦略コンサル一択ですね。

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総コンと戦コンの違い②働き方

総合コンサルは、働き方や労働時間が徹底的に管理されてることが多いです。理由としては、月1時間の残業も見込み分を超えたら残業代として発生するからです。

一方で、戦略コンサルは、残業代という概念が希薄だったり、見込み残業の時間が大きいため、長時間労働になりがちな傾向にはあります。

しかしながら、総合コンサルも戦略コンサルも、働き方改革が普及してきているので、徹底的に労働時間管理に努めているファームが多いです。こういう意味では、コンサル業界のブラックさが、どんどん減ってきて働きやすくなりましたね。

特に最近の話題としては、アクセンチュアの今のCEOは初の女性であり、ママでもあります。女性の活躍、ワークライフバランスを大切にしている会社だと思います。

アクセンチュアで初の女性CEOに就任したジュリー・スウィート氏。
「プロジェクト・プライド」というこの改革は、コアバリューを再定義し、働き方改革とダイバーシティへの取り組みをおこなうというもの。今では政府の指導のもと「働き方改革」に各社が着手しているが、その先鞭をつけたといえる。その成果としてもっとも顕著なものは、女性比率の向上だ。現在アクセンチュアは、男女比がほぼ同比率。これは日本も同様で、女性社員の数が増えたという。
引用:アクセンチュアCEO、ジュリー・スウィート氏が語った「成功の共有」というビジョン(EnterpriseZine)

アクセンチュアは、総合コンサルのリーディングカンパニーであるため、このような動きは他社も追随せざるを得ないと思います。どんどんコンサル業界も働きやすくなりますね!

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総コンと戦コンの違い③仕事内容

これはコンサルの外の人から見ると、少し分かりづらいかもしれませんが、総合コンサルと戦略コンサルは当然仕事内容も違います。総合コンサルと戦略コンサルの違いを知るために、それぞれの仕事内容を見て見ましょう。

総合コンサルの仕事内容

まず、総合コンサルですが「総合」と言うだけあって、戦略から実行までを一気通貫で行います。

例えば、デロイトやアクセンチュアで、戦略から実行、特にシステム開発まで行われてる例がありますよね。この一連の仕事内容を担うのが総合コンサルですが、場合によってはある部門だけのシステム化とかをすることもあります。つまり、総合コンサルの仕事のフローのうち、どこのパートを担うか?というところが、総合コンサルに入ったときに大切なところです。もしかしたら、総合コンサルの戦略かもしれないし、業務理解の部分かもしれないし、システム開発のディレクションかもしれません。

つまり、転職までのバックグラウンドにもよりますが、何でもできる可能性があります。

選択肢の幅が広いのが、総合コンサルのメリットだと言えるでしょう。

戦略コンサルの仕事内容

一方で、戦略コンサルは「戦略」と言うだけあって、戦略に携わることしかしません。つまり、特定の1部門におけるシステム開発などは請け負いません。

戦略コンサルでは、会社の方向性を模索するところを中心し、戦略から考えた結果必要な業務改革やシステム改善の一部は行うことがあります。ですが、この場合もベンダーを使うので、基本的には戦略か下流に入ってもPMOまでが多いです。(ここでは、DDなども戦略として定義しています)

以上を考えると、ITなど幅広く関わりたいのであれば総合コンサル、経営をはじめ上流だけに関わりたいのであれば戦略コンサルということですね。

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戦略コンサルと総合コンサルの違いを理解しよう

以上、戦略コンサルと総合コンサルの違いを書いてきました。

「戦略コンサルが絶対に良い!」とか「総合コンサルにしか未来はない!」ということはありません。そんな固定観念やウワサをもとに判断するのではなく、事実に基づいて戦略コンサルと総合コンサルの違いを考えてみてください。その上で「自分にとって戦略コンサルと総合コンサルのどちらが良いのか?」を考えてみるようにしましょう。

かなり一般的な内容ですが、コンサル転職の際の参考にしてみてくださいね。